20120228

PONTE VECCHIO ポンテベッキオ 北浜



金属製ボールからは、冷気で冷えた水蒸気がワサワサと出ている。
さて、何を作っているかと言えば・・・






生搾りのオレンジ果汁に液体窒素を流し込み、一瞬でフワフワのシャーベットを作るエンターテインメント。 単なる口直し用のシャーベットでここまでやる。  特別な日用にこの演出を行うのではなく、年中液体窒素を店に備えていると言うのですよ。 



客を感動させることだけを考えていると連想させる1つの例だけど、生ハムをくれと言えばホセリートのベジョータが出てくるし、グラスで赤を頼めばトレヴィッキエーリのヴィラジェンマが出て来た。 そして、お任せを注文していれば、何も言わずとも過去のメニューとかぶらない様にメニューを構成してくれる (過去に食べたものが記録されている様な) もちろんすべての皿にも感動のあらし。



料理はもちろんすばらしいのだけれど、店内の家具、照明、食器に至るまでデザインすべて特注。ここはオーナーシェフの山根氏の 『これ俺の世界』 をガンガン投げつけられる気がして真剣に飯を食うことになる。  季節季節の食材の豊富さは目を見張るばかりだし、ワインもすばらしいものが揃っている。 でも、値段を見ればこのPONTE VECCHIOのフラッグシップを成り立たせる為に他のディフュージョン店舗を営業しているのだと想像できる採算度外視ぶりで、ここだけでは絶対成り立たないんじゃないかなー。 
ここまで高次元に質も量もCPも達成している店を知りません。
 


P.S. 他のディフュージョン店で本店と同じようなメニューを注文しても似て非なるものが出てきてそれどうなん?
 
________________________________

20120225

アジアンOEM



見覚えのあるチタンシートポストに出会い思わず店員に写真を撮らせて貰った。
見た瞬間間違いないと思ったけれど、やはり間違いない





以前、中国から輸入したチタンシートポストそのものであった。


そして、日本のブランド名が付いたその商品にはOEM 価の倍以上のプライスタグが付いている。
そういえば、先日書いたMuller Japan のフレームも台湾のSpeedone 製と言うことは細部写真は本家の写真をそのまま使っていたりしていて一目瞭然で、随分立派なプライスタグが付けられている。




販売者からすれば製造コストを掛けずに売ることが出来るし、製造元からすれば販売者のブランドと販売力を活かして生産量を向上させることができる。 OEMと言う方式は今やごく普通であるし、販売者、製造者にとってまことに理に叶ったやり方ではある。





ただ、付いている値段を見ればそこに消費者の利得は殆どの場合感じられないし、私にはこういう商売が場合によっては下等に思えて仕方がない。
もちろん、販売者が仕入れ値の何倍の値段で売ろうが自由だし、消費者が買うかどうかを決めるわけだから、文句を言う筋合いの物ではないことは重々承知の上でそう思う。


電化製品などのOEMとは違い、そもそもアジアンの自転車製造元などアレだから、業者向けの卸だけではなく、節操なく個人向けに小売りをAlibaba 等インターネット直販でやってしまうわけで、メーカーからの卸原価のおおよそが消費者に分かってしまう。 今や容易にその値段で通販可能な品に倍以上の値段を払うような人はそうはおるまい。  結局買う人は買う時点でそのことを知らない人と言うことになるけれど、後々その事実に気けば消費者がいい気持ちがしないのは間違いない。  


この様に後の不愉快が約束された客の情弱状態を頼りにした商売を下等と言わずなんと言えばよいのでしょう? 


______________________________

20120224

水仙トイレ




ダジャレにも程がある。 
が、この辺りリリーがとてもイイ香りなのでセーフ


___________________________

20120222

鮭の街 村上



世界に誇る鮭文化を築いている郷  新潟県村上


鮭が生まれた川に帰るということは良く知られていますが、約250年前この「回帰性」に世界で最初に着目したのが、村上藩士一藩士 『青砥武平治』。  鮭の増殖を目指し川の中洲に鮭が産卵する条件に合うよう川を作り換えた。 そんな鮭にまつわる歴史がこの町にはある。

  



村上には鮭の塩引きという有名な珍味があることを知った。 塩鮭のことかと思っていたら違うらく、塩漬けにした鮭を一度水洗いし寒風の中でアミノ酸熟成させたものだと言う。・・・・ と、ここまで聞いて生ハムと同じじゃない。 と小躍りした


塩引きにする鮭は卵を産む為にエネルギーを使い果たす雌ではなく雄のみ。 
熟成される鮭の顔も十人十色と思っていたらおもしろい話。・・・・ 獲れた場所によって海から上流に行くに従って鮭の顔が険しくなるのだそう。 上流域では雌が産んだ卵にとっさに精子を掛ける熾烈な競争が繰り広げられるからで、確かにおおらかな顔から戦闘的な顔のものまでいた。
  
  
  


流れからすれば当然、鮭の塩引きを食べる話になるが、そうは問屋が卸さない。 
飯を食ったのは村上の鮭の歴史や塩引きの話を知る前で、当然焼きより海鮮、イクラ丼に目がいったからだ・・・・


_______________________________

20120219

奥武蔵にて



 
雪繋がりで ・・・・ 冬は好きです


冬は走っている自転車乗りが格段に少なくなるから寒さが苦手な人が多そうだけれど、私の場合5℃でも運動したら暑いくらい、0で丁度いい、-5℃でやっと寒いかなと言う程度で冬はむしろ好ましい。 おまけに湿度が低くて景色は綺麗に見えるし、凛とした空気がいい。
 
 

_________________________________

20120218

雪の新潟 二景



これはおもしろい。


最近では関東近郊線でも冷暖気が入るのを防ぐ為に開閉をボタンで行う車両も増えてきた。  が、こちらは手動式であるからして、片側半開きってこともある。 これならいっそのこと教室の扉みたいにしたらもっとおもしろそうだが・・・





車窓より。  出庫は春でしょうか?


と、私の旅の興奮の壺などこの程度のものかと書きながら気付いた。


__________________________

20120216

雪の新潟 一景



トンネルを抜けるとそこは雪国だった。


上越新幹線で新潟に向かえば、乾燥し晴れ渡った関東から山1つ隔てれば雪に覆われた新潟へとこれ以上の変化はないと言うほどの気候の違いを見せつけられる。 しかも今年は記録的な豪雪とか。
自分にとって旅の醍醐味とは今まで経験したことがない光景に出会うこと。 こんな時期は尚更なのだ。 と、勇み足で出張に出る。



  

お惚け顔のジャガー君も皆に押されてさすがに焦っている。 後ろには、いかにもシュッとした顔のレクサスが 『 しょーがねーな』 と涼しい顔で傍観している。 ・・・ まるで、機関車トーマスに出てくる 1シーンを連想してして笑ってしまった。


お茶で一服して出てみれば押す人数が1人から3人に増えていた。 
これは酷い (おもしろがって写真を撮る私が) 


駅を出れば、駅前の駐車場が騒然としているしてましてね。 車が凍結路面で滑り前にも後ろにも進めず、後続車が駐車場から出られないは、料金は上がるはで大騒ぎになっているのでした。

 
 
_________________________________

20120214

Independent Fabrication




IF ・・・ MTB最初期のビルダーChris Chance1982年に東海岸で立ち上げたFat City Cyclesが根っこ。 Fat City Cyclesは破産し、それを買収した会社がNYに移転させた(その会社はSerottaも買収していた)のを機に辞めたメンバーで1995年立ち上げたのが始まりである。



2~3 年前だったか? Rapha カラーのIF バイクを見たとき これカッチョイイー”って。
自転車屋がアパレルと組んでブランディングするなんて新しいし、これ考えた人上手いなーなんて思っていた。 こうしてすっかり 『おしゃれ』 ブランドになってしまったけれど、露出度、認知度が高くなって来ると逆に 『IFRapha おしゃれでしょ』 的ドヤ感も醸し出され薄ら寒い気もしてくる。 売りたいけど売りすぎたらそのブランド価値を毀損するみたいな売る側のサジ加減が難しそうではある。



  via IF BLOG
 


そのIFブログを見ていると去年終盤、長年居を構えていたマサチューセッツ州Somerville から、ニューハンプシャー州のNewmarket に移動することが伝えられていた。  
 『IF は大丈夫か?』 などと余計な心配が頭に浮かんだ ・・・ というのは、歴史は繰り返すの法則から言えばFat City しかり Merlin しかり今まで東海岸のフレームブランドの盛衰が会社の買収、移転を契機として起きているから。



移転はともかく、買収はそれまでの会社にあったスピリットを買収した会社がリスペクトせず、やがて職人が離れブランドが廃れると言う側面はあったかもしれない。
その点 IF 2007年にGary SmithIF株の80を所得した際、設備投資し作業場を大きくした経緯がある。 80もの株を売り渡したとしても、その後Gary はメンバーとして同じ場所で働き、場所もスピリッツも保たれたから、IFは変わらず続いてきたと考えられる。



しかし、今回の移転はどうも様子が違う。 
去年初めにはIFを抜け Tyler Evans 等重要メンバー3人が新しいブランドFireflyを立ち上げたニュースが伝えられIFサイトを見ればそれを補うように求人情報まで出していた。
そして久しぶりに、IFサイトを覗いて見れば・・・

IFのメンバー http://www.ifbikes.com/OurStory/OurPeople.html

元々アメリカの職場は出入りが激しいのだろうけれど、前に辞めたメンバー3人を呼び戻したのも含めれば、過半数が去年採用した急ごしらえのメンバー。 まあ、スピリッツは変わらないからいいのか?  いや、こんなにゴッソリとメンバー変わってスピリッツが全く変わらないなんてことがあるのか? それより重要なメンバーが辞めて技術的にはどうなのか? 安定した製品が作れるまで時間が掛かるんじゃ? なんて思えてきたりもする。  アメリカでは、東海岸時代のMerlin のことをformer Merlin なんて言ったりする位だから、もしかしたら今後はIFも 『それSomerville の? Newmarket の? 』 なんて話になるかもしれない。



いずれにしてもこのIF の例から1つ言えることがある。 職人が辞める辞めないはなんだかんだ言って職場の移転という要因の方がずっと大きいようだ。 



P.S. シルバー製ヘッドバッジ : 19g




Related to  http://feticizm.blogspot.com/2011/10/firefly-bicycles.html
_______________________________

20120211

Renfe AVE 300km/h




今、欧州が財政危機で揺れている。  その中で必ず語られるのがこの危機が南欧の勤労意欲の低さに起因しているという話。 確かに欧州の劣等生PIIGS の内4 カ国、すなわちポルトガル、イタリア、ギリシャ、スペインが南欧だとなればそうなのかもしれないし、イタリア人なんぞは接していてもそのいい加減さにスムーズに納得となる。  が、 スペイン人は接する毎にそのまじめさと実直さに、何故こんなに生真面目な人たちの国が欧州の劣等国としてあげられるのか? 少々疑問に思うことがある。


例えばスペインが誇る新幹線AVEの例。 
最大瞬間風速的に300km/h出すだけならお隣のゲス大国でも出来るかもしれないが、15分遅れたら半額返金、30分遅れたら全額返金と言う運行システム全体にまで責任を負うスペイン国鉄の姿勢には日本人でも驚くだろう。


ちょっとしたスペイン人とのふれあいの中でもそんなきまじめさを感じる例は枚挙にいとまがない。、


_________________________

20120209

Departure

 
 
ヨーロッパの大都市の駅はどれも立派で、プラットフォームに立つやこれから列車の旅に出ると言う興奮に身を包まれる。 
 
 
ここはスペインマドリッドのアトーチャ駅。 遠方行きの新幹線AVEが発着するホームに至るにはわざわざ改札の為に 階に上らせ、そしてホームが連なる壮大な構内を見渡すように再び階に降りる動線をとっている。  やり過ぎの感もないではないがこんな演出が、旅に出ることへの興奮に繋がっていることに驚きを憶える。  それは日本では列車事業の顔である東京駅といえど旅への出発の場が只電車に乗り込む場所以上でも以下でもなく、それに慣らされてきた所為でもある。
 
 
 
________________________________
 

20120207

食文化の厚み




食文化の厚みに度肝を抜かれた。 、
ワインに詳しくない私でも、スーパータスカンのSASSICAIA、スペインのVEGA SICILLIA 位は見聞きしたことがある。 よく見ればVEGA SICILLIAはラベルに1953年と印字された超ヴィンテージで、下世話にもその場でググってみれば日本では数万円というプライスタグがついているではないか!



実はここは、フィンランド空港待合いラウンジにあるバー。 プレミアムクラスのラウンジではない。 パンピーが行き交うごく普通のラウンジである。 そんななんの変哲もないバーカウンタにこれだけの高級ワインが普通にリーズナブルに頂ける。 



各国の空港を見ているだけでもおもしろくって、日本でも海外の客にアピールする為にだろう、国際線の到着ゲートから出口までの通路には 漆や焼き物、扇子等日本の伝統工芸品がディスプレイされていたりする。 ・・・・ 訳だが、どうもそれらを見ても日本でごく一般的に使われているものと言うよりは、ちょっとお高くとまった工芸品的なものが殆ど。



なのになんだ? このバーと言ったら下々の者が行き来する平場まで降りてきて日本じゃお高くとまってるととしか思われないような超高級ワインを普通に提供してやがる。 
完全な敗北感。 こういうレベルで根付いてないと文化とは言えないね。 残念ながら・・・・


___________________________

20120204

Crank Brothers Cobalt XC race 29er



Crank Brothers Cobalt XC race 29er
Fixie PURE BLOOD用のホイルに ・・・ 結局、変なのに惹かれてしまった。
  


シクロクロス用としてはよりオーソドックスな見てくれのFULCRUM RED METAL XLR 29の方が好ましいと思ったもののショップで実際見ればスポークは極太だしシクロ用としてはいかにもヘビーデューティー過ぎた、、、いまだにCobaltPureBloodに似合う気がしないのだけれど、削りだしのハブシェルしかり、エッジが鋭どく仕上げられたリムしかり、ディテールの質感は相当に高くて所有満足感が高いのが心の拠り所。  

  




CrankBros ならではのヘンコさは健在でTwinpair Spokes とか何とか ・・・ 同じ場所に二本ずつスポークが配され、長い鞘管=ニップルによってスポークとニップルの連結はハブとリムのほぼ中央というギミックぶり。 
  
  



Total : 1685g   Front : 772g, Rear : 913g
カタログ値がFront : 798g,Rear : 961g よりも 74g も軽かったのは嬉しい誤算。 
1685gはアルミ製完組29erホイルで最軽量の部類。 



これで完成車に出来る部品はすべて揃った。
が、組み立てる気がおきない。 なぜだか

  

Related to http://feticizm.blogspot.com/2011/11/fixie-pureblood.html
_________________________________

20120201

銀座 三亀




ぶり大根が美味しかったなー
ミシュラン星付き、銀座創業60年の老舗割烹と聞けば敷居が高いが、お昼はそんな雰囲気はない。
お料理一品だと1300円、二品付けると1950円、三品だと2950円ってわかりやすい。



ぶり大根や刺身もいいんだけど、実はいたく感動したのは香の物。
何故って、東京生活20年近くで大好きな日野菜(滋賀県の野菜)の漬け物に出会ったのは始めてだったから。 失礼な話だけれど、メインの料理そっちのけで日野菜の漬け物の話をご主人に話したら、随分喜んでくださり話す話す、、、そしてドンドコ漬け物を出してくださる。
お陰で漬け物だけで余分にご飯一杯お茶漬けして食べてしもうた。 いや、ご飯自体も旨いのですよ。
ついでに言えば、味噌汁も旨くって料理のサイド的役割のものがキッチリ抜かりないのがいいってことです。



この三亀、小説失楽園の舞台にもなった料理屋と言うのも何となく感じ入ります。



__________________________________