20150730

CAMPY Power Torque BB maintainance


 
2年前からずっと異音。 特にトルクかけるとキュルキュル言いやがる。
チェーンの油切れの音なのにオイル挿してもダメ、プーリーベアリングにグリシングしてもダメ。
もしかして?とパワートルクのBBベアリングのメンテナンスに至ります。 地雷のメンテナンス・・・もといパワー・トルクBBメンテはメンタル的にはかなり気後れするんですが、カンパはBBメンテを4000~6000kmという短いインターバルでやれよと言うてるんです。
 
 


 
   

 
カンパのBBは水に弱いなんて言われてるけど、ガスケットの内側のベアリングはベアリングカバー、そしてこの琥珀色の樹脂製のリテーナーみたいなパーツによって守られてました。 2重のバリアで守られていて少し付着するグリスはいまだ白い綺麗なものだった。 グリスが殆ど入ってないけど。

 
 
ただ、この琥珀色のパーツある?
カンパBBの画像みても、このパーツの画像が殆どでてこない。
これはCX用のクランクだからなのでしょうか?
 
 
 

  
   

 
ギアリング側のベアリングも殆どグリスが入ってませんでしたので、鼻の脂を絞りだすようにグリスをウニュウニュ~っとやりまして組み付けたわけです。
 
 
 
それにしても、このパワー・トルクと言うのはなかなか香ばしい構造してます。 このクランクの締付けトルクが42Nmと指定されているのですがこれがかなりシビアなのです。 40Nmレベルの締め付けといえば、BBカップ、スプロケ締め付けトルクレベル。 でもBBカップやスプロケの締め付けはトルクレンチでキッチリとトルク管理までしなくても ”わりと力いっぱい” 的な雰囲気で問題ない(問題が起こったことがない)。 しかし、このクランクのトルク管理に関してはそうは問屋が卸しません。 と言うのはベアリングの球当たりをクランクボルトの締め付けトルクでやるわけですから。

  
 
あくまでも42Nmであって40Nmでも44Nmでもない。  実際組み付けるとわかりますが、44Nm じゃいきなり回転が悪くなってダメなのです。 40Nmじゃ回転は問題ないでしょうけど少しスピンドルの飲み込みが甘いと思います(多分)。 ということは、殆どこの用途にしか使わない42Nm 対応のトルクレンチが必要になる ・・・ まあ、それはいいとして、はじめての組み付け時はちょうどいい感じに球当たりが実現されているようで、なかなか良い回転具合。 そこは流石と思いました。 ただ、どうでしょう? これ何度も抜き差しするうちに嵌合部が緩くなってきて同じ42Nmで締めていると、バージンの時より奥まで入ってしまい理屈上ベアリングの球当たりがキツくなるんじゃないかと。 もちろんその遊び分も考慮してスプリングワッシャーでベアリングを押さえる構造になっているのでしょうけど、2回目の締め付けにして既にばらす前より回転が悪くなった気がするのです・・・ たっぷりグリス詰めた所為もあるでしょうけど、スピンドルの飲み込みがより深くなってベアリングの球当たりがきつくなったことに依るものだったら、これほんまにアカンヤツですねえ・・・ 


 
 
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20150721

角 島

  

日本海といえば鉛色の海を連想するけど夏には青い海だってある。
山口県の名所といえば必ず出てくる場所。 その写真はキャッチーで見れば誰だって行きたくなる。

 

その場所が彼方に見えてきた。 本州と角島を結ぶ角島大橋である。
通行料無料の離島架橋としては、日本で3番目の全長1,780m。  
  
 
  
  
 
   
  
  
  
 
 
  
 

  
 
 
  
 
 
  
 

  
 
 
  
 

  
 



美しい橋。 

ただ、この橋一本に頼りすぎた。
橋を渡った島に入ると公共事業バンザイな新しい立派な広い道路が島を貫いていて先の灯台に導かれる。 山口の日本海側の離島らしさを求めようにも味わいを反って損ねている。 何もなくてもいいけれど、立派な橋とのギャップに戸惑い、その橋をテコに観光地として無理やり煽ってもその先はガッカリ感が増しまして分かってねーなと。  ソフトウエアのない箱物的発想と言えば自民党。 と、山口県の代議士を思い浮かべると安倍晋三とか高村正彦とか有力なのが居ました。 

 
一体何をどうさせたかったのでしょうか。 いや、個人的にはにゃんこ先生達と戯れたか ・・・ 
 
 
角島大橋以上でも以下でもない。


 
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20150712

殿様の家

   
  
萩の割烹屋で横に座った爺さん曰く 『うちを是非見に来なよ。』 は現博物館の旧毛利邸であった。
その壮麗さは眼を見張るものがあって、総工費は今の金額に直すと150億。 造園など全て込みだとは思うけれど木造建築の建築費としては大げさな数字にも思える。 ただ、それも一見してみれば納得出来るものだった。 山口ではインフラとしての電気などまだ無い頃、自家発電所と蓄電池など最新の技術を備えたもので、設備的な先進性だけではなく、使用される建材を見ても同じ額を払っても今同じものは作れまいと確信するものであった。

 
   
   
  
  
  
 

   
 
  
   
 
 
  
 



玄関を入ってこの廊下を見た瞬間鳥肌が立った。
地方とはいえかつての殿様がどの程の力と財力を持っていたか垣間見えたからだ。
旧岩崎弥太郎邸や旧鳩山邸等、壮麗といわれる邸宅はいろいろ見たけれどでもここまでの廊下はない。  節すら無い、継ぎ目もない、無垢の一本の木を製材した廊下の床。 どう見積もっても樹齢数百年は下らないだろう。 日本にもここに見合うものがなく大正期に台湾からこのために持ってきたのだそう。 そして100年以上の時を経たその廊下は反りすら無い。 どれほどの労力と、技術と、財力が注ぎ込まれたか・・・  


階段の踏面を見てもご覧のような厚さ。 普通の家なら立派な大黒柱になるような断面。  広い部屋を仕切る襖も長大で普通の家屋のそれとはまるで違う。 なのに、その長い長押が重力で歪み落ちてくるようなことが一切無く100年たっても襖の滑りは建設当時のままだそう。
 
 


割烹料理屋での会話を思い出していた。

私 : 今品川に住んでいます
殿 : 私も若いころ品川に住んでいたよ
私 : 品川のどこですか?
殿 : 品川駅から坂を登っていった辺り。 そこは堤さんが買ってくれてねえ。

堤さんというのは西武グループの旧オーナー 義明氏。 すなわち品川プリンホテルがある場所には毛利家の屋敷があったということ。  六本木の毛利庭園は?と聞けば、あれは参勤交代の時用のもので ・・・・ 浮世離れしすぎた話で嘘つき爺さんと思っていたら実にリアルトークであった。



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