小豆島に渡った。
大好きなオリーブの国内一の産地だったり、二十四の瞳の撮影地や、古くからある醤油蔵など私にとってはキャッチーな要素がふんだんにあったから一度は訪れたいと思っていた。
着いて早々にはこんな素敵な砂州が有って、その頃は観光がてらこの島の海岸線をくるりと回り海の幸でも頂こうなどと悠長なことを考えていたのです。
ところがいつものこと。
海岸線を走リたい気持ちとは裏腹に偶々出会った「中山千枚田」 (内陸の山の方に→)の看板の方に何故か曲がってしまった。
ここの千枚田と言ったら裾野の方から見応えがあって、更に見上げれば上へと導くように無数の段々が築かれてるんです。 当然上に登ればさらに素晴らしい景色を見下ろせるんじゃないか? と、どんどんヒルをクライムする羽目になる。
南国まで感じさせる砂浜から、こんな山がちの千枚田までわずか
10km余り。 急峻な日本の地形をぎゅっと凝縮させたスケール感がよかった。
そして千枚田ヒルをクライムして小腹が減ってきたその真横に素麺の工場があって麺を乾かしているのが見えた。 ここまでの道すがらそこかしこに素麺工場があって、小豆島は素麺の名産地だったのだ。
決まった。 朝からうどんを
3 杯も食ってまた麺はなかろう?という気持ちとは裏腹に素麺を食うことになぜか決まった。
千枚田で素直に海岸線に下れば良いのに、どうせならと調べもせずにあとちょっとだろうと登ったのが悪かった。
10%以上の坂が延々と続く山道、汗だくになりながらまだかまだかと登ってみたら標高
800mもあった。 ちっぽけな島の山が
800mもあろうとは誰が思おう? しかも飯屋などどこにも無いではないか!
きつかった。 辿り着いた途端へたり込んだ。
這々の体で辿り着いたその展望地からは二十四の瞳や醤油蔵がある内海湾沿いの街が見える。
「おかしいなあ、海沿いをクルージングして今頃あの辺のカフェでスイーツ休憩してた筈やのに・・・」
時計を見れば何も食わぬまま既にランチの時間など過ぎていて空腹は限界に近づき、ドリンクも底をついていた。
できることといえば手すりもない石盤に腰を下ろし、ランチ時を過ぎても素麺を食べられる場所を検索すること位である。
なかぶ庵 ここの素麺は今までの人生で一番だった。
普通の素麺じゃない。 乾麺じゃなくって生麺。 香りもあるし、歯ごたえがまるで違う。
後で見ると食べログには完全予約制とあったが飛び込みで何とか食べさせてくれた。
もう店じまいする頃の様だったけど、余程疲れてみすぼらしく見えたのだと思う。
オリーブ園も、二十四の瞳も、海の幸も ・・・ 何一つ初めのプランを達成すること無く帰りの船の時間はギリギリ、そのまま珈琲休憩も無くカッ飛ばして出港
1 分前の船に飛び乗った。
気持ちとは裏腹に自由に従えば辛いこともある。
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