20130825

久保田さん


 
白神山地から弘前市街に下るとそこは日本有数のりんご農園地帯が広がっている。
正面には青森のシンボルお岩木山。 
  
  
  

 
  



  
   
   

 
と、そんな場所で何気なくブレーキをかけた途端カリカリという音とともにホイルが回らなくなった。
キャリパーの中でパッド以外の物がディスクにあたっている。  どう見ても分解するしかなさそうで、初めてのワイヤー式ディスクキャリパーの分解はまさかの青森リンゴロード道端になってしまった。  
 
 
慢心といいますか、長距離を走るツーリングにも関わらず最重要部品であるブレーキの点検すらしてなかった。  見ればパッドは0.5mm以下にまで減っておりパッドをリリースする板バネがディスクローターに巻き込まれひん曲がっていた。  パッドが減るとこういうトラブルが起きるのか・・・ 等と感心している場合ではない。 この板バネは数万回の開閉に耐えるものなので当然硬くて指で曲げられるものではない。 かと言って工具缶にはペンチなど当然のように入って無い。  パッドの粉で汚れたその板バネを歯で噛んで曲げても上手くはいかなかった。 青森でBB7のパッドなど売ってるのか?・・・、この先頼りないリアのカンチブレーキだけで幾つもの峠を超えるのだろうか ・・・  だとかイッパイイッパイになっていた。

 
と、そんな時に一台の車が止まった。 「だいじょうぶが? 工具とかあっけどづがうか?」 と使い込まれた工具箱をポンと渡してどこかに行ってしまった。  ペンチさえあればなんとかなりそうと修理をしているとしばらくしてその人はママチャリで戻ってくる。 自転車のカゴには家から持ってきたという冷たい飲み物 ・・・ 全く恐縮した。  ここまでして下さるとは自転車乗りのシンパの方かと思えば自転車とはなんの関係もない農家の方だったのでした。 


なんとかローターに干渉しないように板バネを修正できたお陰でその後のツーリングを続けられる。
助かった。 そして、あのまま白神林道を走り続けてこのようなことになっていたら ・・・ とゾッとした。
後でお礼をしようと住所など聞こうとしても 「そんなのなんも・・・」 と教えてもくれなかった。 
苗字だけしか聞けなかったけど、後日なんとかお礼をすることができた。
この東北の旅では色んな所で人が良かったなあって印象が強い。  序盤からきた。 
 
 
 
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20130819

十和田湖から奥入瀬渓流


 
朝一番、雨が降っていないことを確かめると外に飛び出す。
カルデラ湖である十和田湖は四方を外輪山に囲まれているのだけれど、湖面から250m up一番綺麗にこの十和田湖を一望出来るという発荷峠に登ってきた。  
  
  
現実の山は雲で見えず、逆さに映った幻影だけがの湖面に浮かぶように漂っていた。
雲は低く期待薄でも、登ってくれば思わぬ幻想的な景色に出会うことだ出来る。 



  
   
   
  
  
  
   
    
   
  
  
 
  
  
  

  
  


木漏れ日の下きらきら。
十和田湖から唯一流れ出る河川、奥入瀬渓流。  ここは自転車にもって来いである。 
木漏れ日の下走るもよし、渓流沿いを曳いて歩くもよし。
水の音、風の音、虫の音、鳥の音、土の匂い、緑の匂い、幹の触感、岩の触感、土の踏み心地・・・
 

気分と興味に応じて自由に感じるのがいい。  
 
 
  

  
  

 
   

 
この日も外せない秘湯をおふたつ。
超有名な酸ヶ湯、そして日本三大秘湯の一つ、谷地温泉とは同じ八甲田山系、6km程しか離れていないけれど泉質も雰囲気もまるで違っている。  
 
 
酸ヶ湯は名の通り目がピリピリ痛いほどの酸と硫黄で万座温泉にとても似ているし、谷地温泉は硫黄も酸度もずっとマイルド。 そして秘湯の言葉とは裏腹に観光バスが乗り付ける酸ヶ湯とは反対に、谷地温泉は秘湯そのものの雰囲気で、廊下を歩けば長期滞在の湯治客の万年寝床の部屋が見えた。 
  
 
 

 
「このホダテは生でも食えっから、焼ぎすぎではならねぇ。」
青森、秋田、岩手と回ったけれど若い子までグレートに訛ってたのは青森。
なんか、和むわぁ

  
 







 
十和田湖近辺は良さげな店を見つけられなかったこともあって青森市街、海坊厨という店。
前菜からホタテの磯辺焼き、松茸の鍋、その他で6品ほどのコースにデザート、コーヒー、生中から純米大吟醸 華一風やら結構な酒まで飲ませてもらってお会計3800円とか、、、卒倒。

 
そこにある自然景観、温泉、食材、料理、人。  
旅でいつもと違う感動、発見をさせてくれる場所ほど好きになる。  
この青森も間違いなくその一。 



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20130813

酷 暑


  



暑い時期、気温は35度を華麗に越え、アスファルト面もあっさりと60度を越える。 そうなると部屋の中においていた時に比べると空気圧は10%位アップしますわな。

そもそも、空気圧によるせん断力に抵抗するためには木の繊維方向に問題大有りな訳で。
 
まあ、壊れたのが近所でよかった・・・ 
 
 
 
Related to: 
http://feticizm.blogspot.jp/2013/07/woodenrim.html  
http://feticizm.blogspot.jp/2013/12/ghisallo-crw.html
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20130809

Ulysse Nardin of 90 years old


 
梅雨と汗の時期を前にオーバーホールに出していた革ベルトの時計が戻ってきた。  振り返れば精度が出ていたこともあって10OHに出していなかった。  
時計師曰 「いくら精度が出ていてもテンプが片振りしていました、たまには健康診断に出してあげて下さい・・・」  
 



  
 


ムーブメントシリアルナンバーから1920年代初めの製造。 
1930年(昭和5年)精工舎(現SEIKO)が日本の技術力を示すためにセイコーシャ・ナルダン型懐中時計として模倣し制作したその元になったUlysse Nardin社製ムーブメント。
  
 
 

まだこれからもずっと愛着を持ってメンテしながらに使い続けることがイメージできる。  こういうイメージは自転車にも結構通ずるポイントじゃないかと思います。  チタンや鉄の自転車はずっと持ち続けることが想像できるんだけれど、自分が持っている自転車の中でもカーボン製の自転車だけは全くそのイメージが湧いてこない。  壊れたら未練なく捨ててしまうイメージ。 

 
現実的にはカーボンフレーム修理は、軽いクラック程度ならその辺の電化製品とは違い買い換えるより直すほうが安く、金属フレームの再溶接より安くできたりする。 樹脂ですからいつまでもという訳には行きませんが、カーボンを直して乗るというのはありだと思うんです・・・  
只、その「樹脂だからいつまでもは・・・」という本来的な部分を感じてしまうのがいけないのか? いつまでもメンテしながら乗って行くというイメージが湧かない。 更には愛着、所有満足感、が湧かないことに繋がっている気がします。 もちろんその感じ方は人によるとは思いますが・・・
 
 
90年前の機械は10s/day 未満の精度、今尚現役です。 
 

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20130806

村の豚ロースト

  
  
また千葉に来ました。 100km走って獲得標高2000m いってました。 
まあ、数字自体は1000m程の山塊を2つ走ればそれくらいですけど、この地の突出している特徴は丘とも小山ともつかないような無数の突起。  だって、この日の一番の高みは僅か標高240m。 
どんだけちっちゃい丘を上がったり下がったりさせんねんっちゅう話です。  
 
 
おまけに私的な趣味で細道やらダートにもどんどん入って行くもんだから結構効きます。
  
 
 












遮断機のない踏切、

ダートの畦道、 

尾根筋の林道     そんな田舎道を走って、、、
  
  
 
  
 
この地、いすみのいすみ豚ロースト。 
こんな片田舎で豚がロゼで出てきて驚き嬉しがった。
豚臭さ少なく、柔らかい。 ロゼといってもタンパク質は繊維化していて生じゃない。 
食用花、ローズマリーが乗ってるのは、ここがハーブガーデンだから。 
 
 
ハーブガーデン内OTTOってレストランでありました。


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20130803

みのもんた



鎌倉に幕府が置かれた理由として、海に開けた南以外が山に囲まれ防衛に適していることがあった。
湘南方面に行くと何故か海沿いばかりを走ってしまうけど、チョット海の反対に目を向ければそこは程よい山が連なっている。
  
  
  

 
三浦山脈を超えて逗子の披露山、鎌倉から銭洗弁天の激坂を越え、更に鎌倉山を越える辺り。
体が妙にスイーツを求めだした頃、ちょうどお誂え向きな素敵なケーキ屋 Le milieu がありました。
 
 
その店は山のほぼてっぺんに有って、近くには山の木々が生い茂り、遠くには湘南の海。 
オープンテラスに陣取れば吹き上がってくる海からの風に木々の葉が揺れこの上なく気持ち良い場所。
鎌倉山というと高級住宅地と言うことくらいは知っていたが、実際走っているとドツイたろかという位の豪邸が並び、雰囲気もまことに良い。 
  
 
 
 私   : 「緑は多いし、近くには海も有ってほんとにいい場所ですね」
店員  :  「その辺の森全部、みのもんたさんのお宅なんですよ」
 私   :  「・・・・!!!」
 
 
 
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