20121031

長崎崎戸の伊勢海老



カニじゃない。 伊勢海老の足。 太い。
伊勢海老なんて食べるところが殆ど無いなんて過去の概念は吹き飛き飛んでいった。
それもその筈、伊勢海老の刺身を頼んで4~5切れの身しかないクラスだと100g+位、、千葉や伊豆あたりで一番でかいサイズでもせいぜい400g 位、なのにこの崎戸といったら1kgクラスは当たり前で、ヘタしたら1 匹で10匹分。
でも、その満足感とは裏腹に海老には大変申し訳ない気持ちになる。 
それは、、、








黒毛和牛でも、生まれてから屠殺されるまでの期間はせいぜい2年半程度。
なのにこの海老ちゃんと言ったら、約11 年も海の中で生きてはったって言います。
自分は11年もの人生、いや海老生を絶ってまで我が血や肉にする価値のある人間なのかって。
 
 
 
11年というのは伊勢海老は1 年で約100g成長するそうで、重さが1100g11歳と。




 
 


と言いつつ今度は1.2kg級、すなわち12歳の海老ちゃんがのったスーパー崎戸丼というのを食べた。
でも、これには海老の12年もの命を絶ったという後悔というか後ろめたさはなかった。
それは2 度目だったからじゃない。

 
 
蒸した身を頬張り、そして足を解体してわかった。 
前日に私の目の前で命が絶たれたあの海老ちゃんのブルンっとした身とはまるでちがう。
水分は抜け、足はスカスカ。  
「前もって予約してください」 の意味を悟った。 解凍しなくちゃいけないってことかって・・・
後悔とか後ろめたさが薄れたのはそれを悟った時。
元々死んでたんじゃん。





 

 
長崎県は崎戸に向かう大島大橋。
日本一でっかい伊勢海老を食わせるところと調べて来たけど、本当に伊勢海老と青い空とグリーンの海しかない。   福岡や大分の奴に話しても 「崎戸?聞いたことない」  長崎の年配の方に話してようやく「子供の頃行ったことあったかなぁ・・・」 とか、そんな場所。
だが、それがいい。 
 
 

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20121028

軍 艦 島

  
 
長崎、三菱高島炭鉱端島鉱業所。 
その見た目から 「軍艦島」と呼ばれているけれど島を一周ぐるりと回れば軍艦に見える角度は寧ろ少ない。 でもこの瞬間、この角度、そして偶然に現れた雲まで味方をしてくれて本当に煙を吐いて進む軍艦にみえた。



  
  
 
  
  
  

 
  
  
  
 


    
   
 
正面に見えるのは今から100年近く前の1916年位建てられた日本最古のRC造の集合住宅である。 
1960年には人口が5,000人を超え、人口密度は83,600/km2と世界一になった。  数十もある集合住宅棟は複雑な通路で繋がり、売店や保育園、学校、警察派出所、郵便局、映画館、プール、更には屋上には畑や水をはる田んぼまであって、これは日本最初の屋上緑化であった。
 

 
1974 年炭鉱の閉山後のこの島の建物の崩壊は殆どは人為的なものではない。 台風の通り道にもなっているこの場所は風雨の影響が凄く大きくて台風の時には南西側の防波堤は10m以上あるにもかかわらず飛沫は150mを飛び越えて島の逆側にまで到達するほどだという。
実際、2009年に観光客の上陸が認められて設置された遊歩道の一部が今年の台風で既に崩壊していた。


  

 
ところで軍艦島と呼ばれるのは外観が三菱長崎造船所で建造された 「戦艦土佐」 に似ていたことからだ説明されていた。 確かに見た目は軍艦に似ているが ”土佐”と限定するからには相当似ているからだと思いきやどうも違う。  Wikipediaによると ”戦艦土佐はワシントン海軍軍縮条約により廃艦となり、19227未完成のまま海軍に引き渡された。その後船体は標的艦として使用されることが決定し、1925年館山沖で沈められた。” とあって写真を見れば上部構造物が低い船体で軍艦島とは似ても似つかない。 
 
 
 
更には、最初にこの島を軍艦になぞらえたのは大正5年の大阪朝日新聞だという。 この年にはまだ戦艦土佐は起工すらしていない。  ならば何故 「戦艦土佐」 の名前が出てきたのか?  
やはりその見た目よりも島の運命をこの戦艦の悲運になぞらえられたからだろうか? 



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20121018

God in the detail - Firefly bicycles

  
  
  
  

Fireflyのドロップアウトのデザインに元Merlin 出身の片鱗感じるわぁ
節制の効いたデザイン加減はMerlinの方が好みやけど。
 
   
   
 
 
 
via  Firefly Bicycles

  
と思ったら、新しいエンドが載ってってます。
やり過ぎ感もあるけど、大胆にCNCカットした上にこれだけのテーパー加工してる例ってあるかなあ。
見れば箇所によってテーパー幅を変えていて明らかにただのテーパーにあらず。 角度によってテーパー部に反射する光がうつろうことまで考えてるでしょうよ。  自分だったら、デカールとテーパー部をちょっとばかりポリッシュして ・・・ とか想像広がる。 
  
 

無塗装、無垢、そして素に美しいチタンだからこそのディテールまで抜かりないスペシャル感はこの手のフレームを選ぶ人には訴求ポイントになるだろうし、それがブランディングにも繋がるでしょう。  実際のところ、私も全体との比率で言えばとるに足らないディテールに引っ張られその物が欲しくなることが結構あります。  
  
  
 
  

  


 
エンド部だけじゃなく、そこから繋がるチェーンステーの形状、溶接の始点、終点まで気が遣われていたり、蓋なしのスマートな内蔵ワイヤーのイン&アウトレット処理  ・・・ 作り手の性格とか考えはプロダクトに現れるし、そのプロダクトからは作り手のパワーが溢れ出る。  決して装飾的である必要はないけど、沢山のディテールで迫られると好き嫌いを超えて力を感じます。 
 


”God is in the details”  Mies van der Rohe


Related to : http://feticizm.blogspot.jp/2011/10/firefly-bicycles.html
          http://feticizm.blogspot.jp/2012/04/blog-post_27.html    
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20121003

小湊鉄道沿いに大原へ



自転車でそのまま乗り込める鉄道として最近よく見る千葉の小湊鉄道。 
線路沿いに中房総を横断し外房は大原へ参りました



千葉は幹線のつまらなさとは反対に少し裏に入れば本当にいい雰囲気。 途中チラッと見えた駅舎の佇まいにふらふらと引き寄せられましたら、ほらっ、このとおり。
駅舎の中まで入ったついでにタイミングが合えば鉄道に乗せることも考えてましたが、一時間に12本ではそうもうまくいかなかった。











千葉のシクロツーリズムの醍醐味は多様な雰囲気を持つ林道。 グーグルマップで言えば等高線が出てきてはじめて表記されるような細い道を選んで走れば自ずと自分好みの道を走ることになる。





もちろん中房総といえば一番の観光地である養老渓谷や小江戸大多喜もスタンバってるのですが、雰囲気たっぷりの林道を走った後では分が悪いのか?こちらははいまひとつ琴線に触れません・・・





実は外房の大原くんだりまで来たのは、なんとなく「エビが食いたい」と頭に浮かび、調べてみれば外房の大原が「伊勢えびの漁獲量日本一の町」だったからでした。 


「伊勢えび漁獲日本一 = リーズナブルに伊勢えび三昧」という甘酸っぱい野望をメラメラさせながら来た訳ですが、海老は小さくて満足できるシロモノではないし、㌘あたりの単価で言えば内房のあそこや南房総のあそこの方がお安かったことは秘密です ・・・ しょぼーん



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