20140620

Move Up the SANRIKU

  
    
     

  
  
  
  
  

  
 


三陸のリアス式海岸沿いを走るということ、それは海に近い地盤の低い市街地と、その市街地同士をつなぐリアス式海岸の断崖の上を走る山がちの道を繰り返しを走るということ。

  
 
それはつまり壊滅的に破壊された市街地を走って味わう空虚感、そしてそこを抜けると絶賛復興中の土木工事関連のダンプや大型車が頻繁に往来する山道を走る抑圧感の繰り返し。 しからば、海の眺望を楽しむか?といっても、その眺望がひらける場所もほぼ無い。 すなわちこの行程はあまりハッピーなものではなかった。

 
 

  




   
  
 
   
 
 




 
市街地がメチャクチャになったのに対して、この雄大に続く断崖は崩落など含め殆ど影響を受けてないと聞いた。  自然は悠々としたもの。  
  

そして、人の暮らしをメチャクチャにしたものが自然ならば、人が寄り添い、頼り、癒やしてくれるのも自然の姿でありその恵み。 こういう場所はいろんなことがそれほど複雑じゃない。
 
 
 

   
リアス式海岸を走る陸中海岸シーサイドラインの断崖地形から降りてきた譜代という場所。
防潮堤のお陰で被害が最低限で済んだ場所である。 ここからの北上は壊滅的に壊された市街地はなくなって不思議なくらい気分的に楽になった。 もちろん断崖地形のアップダウンがなくなって体力的にも随分楽なのだけど。
 
  
 
    
    
    
  
 
あまちゃんの舞台、北限の海女の里、小袖海岸をすぎれば久慈の市街。
人影も少ない田舎道ばかり走って来たものだからのんびり気分のまま久慈に入れば面食らった。
それまでの雰囲気を掻き消すように大型車の車列も途切れることがない東北を貫くR45号が横たわっていたからです。 



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20140615

PRACTICAL



人間は膝ほどの高さの水が押し寄せただけで流されてしまうのだそう。 ましてや数メートルに及ぶ波が押し寄せたら ・・・・ やはり波が来る前に逃げるしかない。
   
 

  
   
   
    
   
    


この三陸海岸沿いを走っていて目につくのが

”津波浸水区域 前方〇〇m、後方〇〇m” という看板

逃げる際に先に行くべきか?逆方向に行くべきか? 生き死にに関わる実践的な看板である。
 




田野畑村机。 見た中では37m が津波に依る浸水区域の最高標高地点だった。 12 階程度のマンションに相当する。 津波の到達高さとしては無人島を除けば同じく宮古重茂姉吉地区の40mに続く2番目の高さだった。

 
 
津波自体の高さは岩手よりも福島の方が高かったようだけれど、その特長ある地形から津波の遡上高さは岩手の方がずっとたかかったようである。 海からすぐに断崖が始まるリアス式地形によって海に繋がる細かな入江には逃げ道の亡くなった津波が陸地を駆け上がった。  
 


一番の遡上高さだった姉吉地区には1933年の三陸地震による津波の後建てられた此処より下に家を建てるな」 の石碑があり、その教えを守っていた姉吉地区では東日本大震災の津波の被害を免れている。 これもまさに、 実践的な教えである。 
 

 
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20140611

SURVIVORS


 
 


震災から3年以上経ち、ほとんど報道もされなくなったこの場所は未だ復興は遥か彼方の現実が有った。 海に近い平地は見事に建物は流れ、若干の高台でもあれば、そこは無傷の建物が残っていた。


 
宮古漁港沿いの冷凍倉庫などはすでに復旧稼働しているものも少なくないが、その後方民家があるべき部分は未だぺんぺん草が生えているようなところが殆ど。  しかし、海岸線からわずか50mほどの場所に黒壁をまとった寿司屋がスクっと建っている。  聞けば、RC造でも鉄骨でもなく純木造だというではないか ・・・   新築ではなくモロに津波を被った場所にもこのような木造SURVIVORが居ることに驚きを隠せなかった。

  


  
その建物は魚正という寿司屋であった。 
残念ながら街を見る限り復興はまだまだである。 しかしその現実を見た途端、こんなSURVIVORがいて、こうやって営業されているところもあると感動し、その幸運に肖りたいと寿司を口いっぱいに頬張った。 

  
 

 
 

  
 
 
 
浄土ヶ浜では、イタリアはカプリ島よろしく青の洞窟が有る。
そこでは、細かな磯にも入れる小さなザッパ船に乗っての遊覧が出来るのである。 
そして、写真に映る”第六飛魚” 号 ・・・ 先の震災で流された数多くの船の中唯一生き残ったSURVIVORである。  残念ながら、遊覧を終えてからその事実を知らされて「それ乗りたかった!」 と地団駄を踏んだ。

 
 

   
 


宮古の南、未だ不通のJR山田線の津軽石という駅の傍。 線路の先に見えるガソリンスタンド。 ここの裏が盛合博美氏の作るフルオーダーフレームEMME AKKAの工房である。 近所の方に取り付いで頂き、レース遠征中で電話越しの話しか出来なかったのだけれど・・・ 
  
  
最近は、チタンやステンレスフレームの制作も復活したようで、この逆境に強い姿はまさしくSURVIVOR である。
  
 
 
  
 
 
  
 
 


津波のために1 階部分が全滅、木造の母屋と米処理工場、詰場が完全に流され、RC造の建屋も壁は抜け貯蔵タンクと瓶詰め商品すべて流された。  この宮古の菱屋酒造店もまた、大いなるSURVIVORである。
  
  
いまどき日本中の酒が東京で手に入るわけだけれど、この地で生原酒を買って東京に送るという面倒なことをするのもよかろう。
  
 
 

 
  


最近の日本酒はスクリューキャップが圧倒的に多い。
残念ながら菱屋酒造の酒も御多分にもれずスクリューキャップでバーエンドには使えなかった。



であれば ・・・・ バーエンドにも使える同じ被災地SURVIVORの酒。  
宮城県は新沢醸造店の純米酒 ”伯楽星 ” がそれである。 (ドヤ顔)



 
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20140608

RECOVERY



”あまちゃん”でユイがトンネルに向かって 「東京でアイドルになりたーい」 と叫んだ堀内駅。(だそう)  鏡に写っているように海に面した長閑な駅だった。 



  
 
11・3・11 では壊滅的な被害を受けた東北三陸。 メンタル的に物見遊山ではとても行く気になれなかったけれどついに来た。 
  
 
去年夏盛岡で食べた三陸産のバカデカイ岩ガキにはその自然の恵みの偉大さを感じ、その恵みがきっと復興を後押ししてくれると確信したし、東北三陸を舞台とする朝ドラ”あまちゃん” が放映され、4月には三陸鉄道、宮古~久慈間全線が復旧したという明るいニュースをみて、もういいかなと思ったから。


 

   
しかし、一番の復活 ・・・ しかも精神的な復活まで確信させたのは宮古の海岸からも近く、もれなく津波で被災した場所に立つホテル。 


その名も ”HOTEL BIG WAVE” て・・・  
 
 
宿泊地をググっている時にこの名前が出てきて、この地に向かうことを決心した。 



Related to:
http://feticizm.blogspot.jp/2013/09/blog-post_3564.html 

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20140604

Titanium thread galling



1998年製Merlin のケーブルアジャスター用受け金物。

穴にはタップは切られておらず、ちょっと変わっている。
 

  
  

この受け金物の使い方というと、その直線部分に6角ナットの1 辺をフィットさせ、ナットにアジャスターをネジ込み入れる。 ナットとそれにねじ込んだアジャスターはワイヤーのテンションでフレームに止まっているだけである。
  
 
どうしてこういう受け金物にしたのか? 単に当時はこういうのしかパラゴンさんが作ってなかっただけなのか? 不思議でいたのだけどちょっと思い当たることが起きた。 
  
  
 


一番ハードに使っている自転車のケーブルアジャスターのアジャストが効かなくなってしまいました。
フレーム側の受け金物なのか?アジャスターか?どちらか、もしくは両方のねじ山が摩耗したことは間違いない。 RD側でテンション調節もできるので、ワイヤーを外して点検まではしてないのだけど、”チタンは摩耗に弱い ” ことを思い出しました。 
 
  
 
摩耗に関する性能を表すのが何なのがよく知らないのだけど、もしそれが表面硬度ならチタンのピッカーズ硬度≒300Hv に対してアルミ製アジャスターに硬質アルマイトやタフラムが施されていたならその硬度300~500Hv。 ならチタンの側のねじ山が摩耗してしまったこともありえる? Old Merlin の受け金物の仕口はこのようなことを想定したものかもしれないと思いだましした。 思い当たる例で言えばステムのハンドルの固定が緩み、増し締めしたことが複数回有るのはチタンステムのみ。 チタンの穴にステンレスのボルトをねじ込むタイプだったりします。 もちろん、ブロンズ色の憎い奴を塗布して組んでるんですよ。 
 
 

もしチタンのスレッドが摩耗していたら・・・直しよう無いよね



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