20150130

Beginning of the end


 
チタンフレームにセットされたカンパニョーロに惹かれてroad.cc の記事を読んでみましたら、カンパの創業地ヴィチェンツァ工場のリストラの話でした。 
 
 

ざっくり言うとカンパニョーロのブランド力だけではシマノやスラムといったコンペティターに対して競争力がなくなってきてマーケットシェアも下がっている。 その為生産はルーマニアに移されイタリアヴィチェンツァでは製品技術開発をメインにする。 それに伴い399人中68人がリストラされるという内容。 しかもかなり強硬に、そして速やかに生産拠点移転をする緊迫感のようなものまで伝わってくる。 感覚的には日本にいて周りを見回してもカンパはやはり人気あるし”Made in Italy” を捨てて他のヨーロッパに移転しなきゃならん程困ってたん?・・・と。 確かに、ここ数年カンパ製品を買うとクランクといったカーボン製品にまで”Made in Romania”のシールが張ってあって「あれ、イタリアじゃないん?」とガッカリする瞬間は何度かあったといえばあった。 ただ、それとて日本ブランドも裏を返せばバッチリ”中国製” なんて書いてあることはごく普通のことだし、日本ブランドの中国生産に当たるのがヨーロッパでは東欧の国々なのかと言うくらいの認識だった。 カンパとしては東アジアにOEMに出して偽物や知的財産が流出などするより、ルーマニアの自社工場ということらしい。(すでに低ランク製品を製造する台湾工場はある)
  
 

最近、日本ブランドのものも中国製に混じって、ベトナム製、ミャンマー製といった東南アジア諸国生産のものを目にする機会が増えている。 資本家は人件費が安い地に資本を投下し投資効率を高め利益を回収する。 中国の人件費が上がってくれば、ベトナム、ミャンマーへと安い労働力を求めて移動する。 文章の中で一つ驚いたこと。 ルーマニアの生産コストが台湾やイタリアの1/3.5とあった。 今や一人あたりのGDPが日本より高い台湾がイタリア並みの生産コストということはさておき、先進国が集積した西欧とそれほど離れていない地続きの東欧の生産コストがそんな安値で放置されていることに驚いた。 人・物・金が自由に移動するグローバル化の時代、しかも同じ欧州内、ルーマニアの安い人件費もそう長く持つようには思えないが。  
 

 
ただ、読み進めていくと競争力、マーケットシェアが工場移転で解決されるような主に生産コストの問題ではないことに気づく。 1998年までの30年でツール・ド・フランスで勝利したカンパニョーロ搭載バイクは25。 それに対してそれ以降の16年でツール・ド・フランスで勝利したカンパニョーロ搭載バイクは2006年のOscar Pereiro そして去年の Vincenzo Nibali が属するわずか2チーム。 2015年シーズンの17UCIプロチームでカンパを採用しているのはわずか3チーム、シマノが13チーム、スラムが1チーム。 コンペティティブなレーシングパーツを標榜しているメーカーとしてはこの状況は大変まずいらしい。 最近レースにはまるで興味が無いので気付かなかったのだけどレースシーンでここまでシマノ無双状態になっているとは知らなかった。  技術的な動きとしても機械式11速の評判は良かったものの電動はまるで期待はずれ、シマノに大きく水を開けられその他のメーカーにとってはシマノ品質がベンチマークになった。 ディスクブレーキ化への流れでも完全にスラム、シマノの後塵を拝してしまっている・・・  1970年にカンパのヌオーボレコードで現在の変速機の形が出来上がって5速から7速になっただけで20年。1991年シマノデュアルコントロールレバーが出来て次の20年で8速から11速、そして電動化、ディスク化と変化のスピードは他の分野同様どんどん早くなっている。 今ある技術の差を取り戻せると考えるのはメルヘンで、どんどんその差が開くと考えるのが自然なのではないでしょうか? 焦りさえ感じるこの行動はもしかするとカンパにとって90年台初めのMTBパーツ市場撤退の悪夢から来るのかもしれません。 なんだかブランドを価格競争に晒して瀕死の重傷を負った日本の家電メーカーと姿が重なりました。 同じ土俵で戦うのがまずいと気付いても価格で戦おうとするのか? もう技術的なことはそこそこに、すっかり市場から消えてしまった研磨に気合が入りまくったシルバーパーツなど一部は懐古に走るだとか、そういう需要は間違いなくあるとおもうのだけど・・・ 少なくともこの流れは”終わりの始まり ”な気がしてなりません。  
 


Related to: 
http://road.cc/content/news/141525-campagnolo-strike-threat-1-5-jobs-cut-vicenza-hq
http://feticizm.blogspot.jp/2013/09/argent-crisis.html
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20150125

Zalto


 
グラスに口をつけた瞬間、「何これ」
注がれた中身のほうじゃなくてグラスそのものに。
唇にグラスが触れるその感触が柔らかい。 「えっ?」ってグラスを持つ手に力を入れると飲み口が楕円に変形する。 台座を持ってグラスを回すとステムから上が撓る。 繊細で弾力があるグラス。 思わず 「このグラスなに?」って聞きました。
  
 
このレストランが好きなのは料理意外にもいろいろ良い物教えてもらえるから。 グランメゾン(行ったことないけど)だとグラスはバカラ、カトラリーはクリストフル的に一流ブランド揃えになるのだろうけどそういうのとは違う。 ワイングラスなんて試しに買って試すなんて絶対しないから、図らずもこういういいものを体験させてくれることが嬉しい。 
  
 
      

 
ワインの産地に応じてグラスの形状をかえてデザインした元祖はRIEDEL(リーデル)。 このZalto(ザルト)についてググるとオーストリアのレストランではそのリーデルの採用率を凌ぐ勢いとあった。

 
ただ、このグラスを使ってみて思ったのだけど、これをレストランで採用するのはかなりリスクが伴うに違いない。 とにかく作りが繊細。 洗うにしてもステムがしなってヒヤヒヤしっぱなし。 食洗機OKだそうだが、大量のグラスを洗うとなるとかなり神経を使うことでしょう。 ワイングラスそのものに感動するなんてことが人生であるとは思はなかった。 硬いクリスタルガラスとは全く別のものだから比べる意味もないけれどバカラの半額ほどの値段というのもいい。
 
 
 
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20150110

Ceremony

  
 
 
  
 
 


2年半ぶりの御開帳。


やはり継続は力である。 
銀行に行く時、指に食い込むほど重かった。 一枚だとあんなに軽いのに。
詰め方が良かったのか前より15000円位多く入っていてチタンフレームをオーダー出来る。

 
・・・と思ったのは2年前で、
今は安倍 & 黒田の日本大安売りのお蔭で到底無理風ビュービュー吹いてます。 


 
 
Related to:
http://feticizm.blogspot.jp/2011/12/blog-post_28.html
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20150105

またオカンの包丁



鋼の包丁なのに一切手入れしないうちのオカンの包丁研ぎました。  


刃の欠けを修正したのはもう2年近く前。 
吉實の包丁はまたもや悲惨な姿に成り下がってました。 いや、前回鉄を守ってくれる黒錆まで綺麗にとったもんだから、赤錆まで出てきていた。 
  
 
 

 
前回は刃の欠けを修正してから肉厚を漉かずズボラかましたもんだから、刃先からモリッと厚みが増し鈍角な刃になってましたんで今回は厚みをすきとって食材に対する刃の入りを良くする方向で。
  
 
   
   
    
  

 
切刃の厚みをそぎ落とし切っ先ほど鋭角に、刃元は若干鈍角に。 
ハマグリ切刃に小刃つけて、ジャジャッとサビを落として出来上がり。
刃の欠けを修正するより厚みをすき取る方がずっと大変でした。
 
 
 

吉實の包丁、有名人が使ってたとか、作り手は江東区の無形文化財だとかマスコミその他で取り上げられている。 でも、聞けば作り手と言っても鍛冶屋でもなし、刃付師でもなし、だとしたら包丁造りの定義ってなんだろ? 素人の人が包丁造りと聞いたらトンチンカンチンと火花散らせながら包丁を叩く包丁鍛冶なんぞをイメージするんじゃないだろうか? 外注でオリジナル包丁作らせてる包丁屋も良く言えばプロデューサーだけど、悪く言うとデパートの催事で全国を回ってるオリジナル包丁を売る包丁屋? いいものとは思うけど値段はすごく立派。 商売の仕方はそれぞれだけど、自分が使ってる包丁の中でもっと安くてもっといいと思うのは確実にある。 ただ、そういう気付きに至るのにかなりの時間とお金を浪費しているから偉そうにも言えませんけど。
   

 
Related to:
http://feticizm.blogspot.jp/2013/03/blog-post.html
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20150101

冬の富士


 
正月、初夢、末広がり。 
The Fuji  from Mt.Oonoyama




The Fuji  from Otome Pass 

  
 


末広がりな富士山も見る場所によって左右対称ではない。
東から見ると左肩には宝永噴火(1707年)の火口の突起が出っ張り、北側斜面は南側斜面に比べて斜面がきつくなっている。
The Fuji beyond the tea garden in Yamakita urb
 
  
 
 
冬の富士は特別な富士  2014年最後のツーリングより


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