下北半島を矢尻崎に北上する時、「本州北東端への道」 という旅情を掻き立ててくれる響きとは結構違っていた。 太平洋側を北上したのだけれど、その道沿いには歴史を感じさせる様な町並みはなく、かと言って、自然地形も余り見るべきものがない。
容易にアクセスできるところではこの物見崎位しか見つけることが出来なかった。
更に言うと、 道沿いにあるのは森と言うには寂しい若い木々の林、何かがあると思えば自衛隊の対空射場、そして原子力発電所(海岸線右端、東通原子力発電所)など、ヤサグレ感のほうが強い。
街らしい街もあまり無し、食堂も殆ど見当たらない。
海沿いの街で、空腹に耐えられず食堂を聞いて教えられた文化食堂。 海沿いなのに魚介ウリでも無くメニューはカレー、カツ丼、ラーメン、定食 ・・・ とまるで期待できなかったのだけど、のけぞった。
前回ラーメンのスープを飲みきったのは何時か思い出せない。それほど久しぶりの汁まで完食。
クリアでキレのあるスープ。 聞けば 「煮干しだー」 と店主。 煮干しでこんな出汁取れんの?とまた驚いた。 細縮れ麺に三色のわかめ、トッピングのイカも食感豊か、すばらしい。
本州北東端の尻屋崎に至る道、山には沢山の風力発電用の風車。 さらに尻屋崎に近づくと護岸防護ブロックなどもない自然な海岸線になった。
青空の先、海水面辺りから霧が広がっているのが見える。 この辺りではよくあることらしく”やませ” と言うらしい。 回りが霧に覆われるとともに肌寒いほどになり空気が変わった。 霧は視界も効かないほどの濃さでゴーグル、ハンドルまで水滴だらけになる。 最北端とか最南端とか端部には観光客密度が高くなるものだけれど、ここは閑散としていて ”心地いい最果て感” がある。
寒立馬というだけあって、ただ突っ立っている姿が印象的だった。
雪の吹きすさぶ中、寒さや風雪にじっと耐える姿が印象的な寒立馬だけれど、夏も突っ立っている。 4~6月は産卵期だそうで、夏は沢山の仔馬。 親に寄り添うもの、そして好奇心旺盛に寄ってくるもの。
寒立馬は天然記念物に指定され、元々の農耕用途ではなく地域の観光の呼び物として放牧されている。 ただ、観光客に可愛がられる姿とは裏腹に、頭数調整のため食肉用馬として毎年主に0~1 歳の若馬が家畜市場で売られているそうでして ・・・ 。 牛も馬も豚も普通に食肉用に処理されている訳でセンチメンタルに寒立馬だけ可哀想なんて言いたくないですけど、青森県は天然記念物に指定していると聞くと違和感あります。 馬はこの地、東通村の持ち物だそうですし。
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