祖谷(イヤ)に至る。
祖谷は徳島県の最奥に位置する秘境と言われる場所。 1185年屋島の戦いに破れた平家落人の里としても知られている。
宮崎の椎葉村、岐阜の白川郷とともに3 大秘境と言われる壮絶な自然がある、
200mもの高低差を持つ深い渓谷、翡翠に輝く精励な川。 昔ながらの山里の暮らしを送り様々な伝承と共に生きる人達がいる。
こんな言葉が並べば否が応にも秘境、祖谷に夢膨らむ・・・
山にへばり付く畑や家々、雰囲気満点のボンネットバス。 役者にあふれている。
青看板に”かずら橋” の表記が出てきた。 迫る源氏の追手を阻むためにいつでも切り落とせるように平家の残党が造ったとの言い伝えがある、祖谷の観光スポットである。
渓谷には車や、観光バスの駐車スペースを賄うための大規模な人工地盤が造られていた。
”秘境に人工地盤” ・・・ 私はひっくり返りそうになった。
観光バスから吐き出された人達が、旗振りコンダクターに従えられかずら橋付近は人で湧ていた。
私の中の「秘境」 がどんどん溶けていった。
こんなに人が乗ったら、かずら切れるんちゃうん? と心配になって足元を見たら、被覆された極太ワイヤーがバチコンしていた。 そう、かずらは飾りでしか無かった。 本物のかずらなら500円でも値打あると思ったのだが、もう返金などしてもらえない。 だって、この橋は一方通行だし。
そもそも、秘境を売りにした場所に秘境などあろう筈がない。
知ってたけどがっかりしたのはちょっと期待してたから。
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