20111201

後味が悪い






人里離れた林道をヒルクライムしている間ずっと犬の鳴き声が山間に響いていた。
一度、山の中で野犬に追いかけられて必死で逃げた事を思い出し、この鳴き声が野犬ではなく猟犬のものであって欲しいと願っていた。



小一時間山を登り続けたか? その間も犬の鳴き声はやむことはない。 そしてその鳴き声間違いなく近づいているんじゃないか? と思いだしていたころ、ふと斜め上方向を見ると崖の上で犬が吠えているではないか。



大きな犬! と思いきや、カモシカだ。
カモシカが崖に追い込まれて、その上で犬が威嚇していたのだった。

  






崖下には林道が通っていて、軽自動車が止まっていた。 
中には銃を横に携えた狩猟者が乗っている。・・・・ 嫌な予感がしたが、その場を通り過ぎればそこは紅葉と冷たいクリアな空気に満たされていてカモシカのことなどすぐに忘れ、そこにある自然を楽しんでいた。





バーン ・・・・ 一発の銃声(のような音) が山間に響いた。 
一瞬で崖上を見上げて写真を撮っていたあの瞬間に引き戻された。 嫌な気分がした。 
最悪のことが起こっていたとしても、自分はあの場で何か出来たのか?  
いや、そもそも本当に銃声だったのか? ・・・・ いろいろなことが頭を巡る。
もちろん、その後のことを確認しに戻ったわけではないが、何とも後味が悪い。




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