石見銀山より日本海で出てきた。
静かな入江、鄙びた漁村、そして石見の銀が積み出されたという温泉津(ユノツ)の街の対岸に出た時はっと息を呑んだ。 目を引く赤瓦、遠目から見てもわかる古い街が美しかったから。
温泉津(ユノツ) という地名の通りそこは温泉街である。
大正初期に建てられたという歴史ある洋館 ”薬師湯” のお湯。 源泉掛け流し、海に近くでこの湯色。 すごく塩っぱくて鉄の香り。 何分かごとに出たり入ったりするとその後も体からは汗が止まらない。 温泉の雰囲気も最高であった。
なんだろう? いたく気に入った。
山の形に沿ってうねる様に、そして細くて狭い小径には軒を重なりあわせたような赤瓦の街並み。 この町並みは江戸時代からほぼ変わること無く今日に至っている。
人影は見えないけど、人の生活の気配にあふれている。 温泉街の旅館は明らかにどれも営業されていてシャッター街的な閑散としたうら寂しさがない。 よく言う日本的な鄙びた感じとも違う。 日本家屋に赤瓦が載った歴史ある町並みが日本海側にある驚き。 勝手に刷り込まれた ”赤瓦=明るい太陽と青い海 ”との乖離によるものか? 紅葉や冬の時期に泊まりでまた来たい。 そんな風に思う温泉街。
温泉津では泊まらず、輪行で萩に入った。
萩での割烹料理店。 すぐ横に座るは老齢の男性二人。 その内の一人に訳あって話しかけられた。
名刺には ”毛利” 、もう一方は”楫取(カトリ)” ・・・・ 驚いたことに長州藩政時代の毛利の殿様の子孫とその家臣であり、大河ドラマ”花燃ゆ” の主人公”文” と結婚し、その後初代群馬県知事となった”楫取素彦 ” の子孫だという。 そんなことがありえるのか? 嘘つき爺さんのトラップかと警戒をしていたら、”山口の周防市に自慢の屋敷と庭があるからYOU 来ちゃいなよ” とおっしゃる。 私はちょうど翌日萩から南下して山口に向かおうと思っていたので渡りに船であった。
その時思い出した。 出雲の初日の占い紙”西と北は吉 ”
私は確かに出雲の西方にいた。 縁結びの神様恐るべし。
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兄の友人に殿様の毛利君がいますがお父上でしょうか。
返信削除本家・分家とかありそうですが。
包丁も良さそうな雰囲気ですね。
続きたのしみにしています。
こんにちはありがとうございます
返信削除長子ではない御本家のようでした。 この店は千代という店で昼も行ったのですがランチはかなりお得で良かったですよ。