20130304

オカンの包丁



随分久しぶりに実家によった。
親にとっては何歳になっても子供は子供のようで好物だったものをやたら作ってくれようとします。
でも、その包丁 ・・・ 赤錆じゃなく黒色錆はいつも使っている証拠だけど、刃は欠けてるし刃を指でなぞってもまるで切れない。

 
 
ググってみたら吉實というのは江戸の伝統工芸品とあって、こんな姿じゃもったいないとやおら砥石を買ってきてシャカシャカ砥いでみました。
 
 
 
  
 
 

 
中砥石だけで欠けた刃を修正するのは割りと大変な筈だけど、この日本鋼というのは刃物専用鋼材とは違うようで柔かくて砥ぎやすいし、むしろ久しぶりの実家の台所での仕事を楽しんでいた。 
とりあえず、刃の修正とサビ取りを終え、らしい姿に戻った包丁に料理をし始めたオカンの感想は 「よう切れるようになったわ。包丁に戻った感じ。」
  
 
 
聞けばここの親父さんに一生ものと言い包められて買ったのだとか。 でもこれを使い続けて20年近いらしいからメンテして使えば一生ものも嘘じゃない  「吉實」の文字が現行は打刻印で安もんチックになっているけど、この古い一品は堺のちょっとした和包丁の様に切り文字になっているのも良い。 柄の木が腐り始めているから5年先くらいに亀戸の造り主のところで修理して貰って更に使い続けるというのもいいかもしれない。 
もしこれが錆びることもなく、研ぐ必要もない、修理する由もない物だったとしたら ・・・ 便利で安くて使い捨てばかりじゃつまらなさすぎる。 何よりこれがなければオカンとのコミニュケーションのネタがひとつ減っていたわけだし。
 


と、あとは平の部分までピカピカに磨こうかとやりだしましたら 「それよりこっちやって」 と軒下の電球を取り替えや、天井の空調機のフィルター掃除など仰せつかりまして、親にとっては包丁より高所作業をしてもらうことのほうが重要だったようですが。



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