20140415

越前刃物



包丁はよく使っているし好きである。

 
和包丁の産地としては職人用の大阪堺の和包丁、洋庖丁は大量機械生産の岐阜県関、その他では手作りで有名なのが新潟の三条そして福井の越前など。 越前の包丁も何本か使っていて是非越前刃物の里を見てみたいと思っていました。
 

  
   
   
     
  

包丁の世界では”手作り” などという言葉が誇らしげに書かれているものも多いけれど。 そう書いてあっても最後の研磨だけが手作業でその他は機械流れ作業だったりとかなり眉唾である。 
そう。 人は手作りとか職人という言葉に弱いのだ。 


 
この工場は真っ当にコークスで鋼を熱し鍛接していた。 越前刃物だからといってすべてがそうしているわけではない。 いや、鍛接から焼入れ、刃付まで一貫してやっているところのほうが少ない。
  
 
  
   
  
   
   
   
  

 

  

鍛冶屋といえばこの ”焼入れ” のシーン。 
鋼製の包丁は800度、ステンレスは1000度で焼入れをする。 表面だけでなく、内部まで焼きが入る時間がしっかり秒単位で管理されている。 そして一気に水で冷却。  この作業で刃はギュッと硬く締まる。  この冷却用の水も古い水を使い続けるのがいいと言い伝えが有るのだそう。
 
    
  



PC の画面上の勝負になりかねない情報化時代は難しい。
職人名、見栄え、鋼材グレード、硬度などわかりやすい要素を書き並べ高価品商売に特化している刃物メーカーがあると思えば、真っ当にいいもの作っているのに、地味な商売を選択し情報化時代とは背を向けたような刃物メーカーもある。  ここに来て思うのは明らかに二分化しているということ。 
 
 
 
インターネットにはすべての情報が有るようにみえるのだけれど、分かりやすい判断材料に満ち溢れ、売りたい人間によって作られたメルヘンのバイアスまで掛かっていたりするものが先頭辺りに出てくる。 そちらとは真逆の品物が目に止まった。 80歳を越えた職人が作るその包丁は根本から先に行くに従って薄くなっている。 熱し赤らめた鋼材を叩き伸ばして作られた証拠、刃は真っ当に作られているのに柄は安物が付いていて、一瞥だけでは惹かれることはない。 マニア向けではなく普通に使うことが想定して作られた真っ当な品だと思った。 当然格安、ネット上にも存在しない。 さすがに包丁を背負ってサイクリングも無理なんで送ってもらいました。  現地に行って話し、見なければなかなか分からない事もある。



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