20120921

De Rosa TITANIO by Doriano



「今日は生憎土曜日だから生産ラインは止まってるけど、それでも良ければ工場内案内するよ・・・」
デローザ家三男のクリスティアーノに招かれた工場内は静まり返っていた。  見れはその中にただ一人黙々と作業をする男がいる。








  


  


広い工場内、訪問者には一瞥もくれず一人パイプと向き合っている
治具にセットされたパイプ同士のフィッティング見てはヤスリをかける。
何度も何度も治具とバイスの間を行ったり来たり黙々と同じ作業繰り返す。
熱で微妙に変形するところまで考慮してヤスリがけするそうのだそうで、ヤスリがけ位までは人にやらせてると思ってたけどそんなことはなかった。


チタニオは納期を決めた商売でもなし。 
工場が休みの日までこうしているのは彼はきっとフレーム作りが好きなんだろう。
職人ドリアーノのイメージはマスコミが盛って作ったものだと思っていたけど強ち嘘でもなさそうで、広い工場にあってこの一角だけが昔のフレームビルディングのイメージを残す工房に思えた。





ひと通り工場を見て、去り際に 「チタニオはよく走るよ。今日は有難う。」 と手を差し出すと、チラッとこちらに目を向け口元が緩む。  ドリアーノも少し手を出したところで 「あっ、今手が汚れてるんだけど ・・・」 とポロシャツで手を拭って握手に応えてくれた。
  

「よく走る」と言ったのはお世辞じゃない。 ありきたりなパイプを溶接しただけに見えるそれは、期待に反して実に 「アタリ」であった。 期待に反してというのは本当で、たとえオーダー品でも 「アタリ」 と思うことなど稀だと思っているから驚きだったし、そのことがここに寄る切掛にもなった。
1300g程もあって軽くもない、特別なパイプを使っているわけでもない、仕上げが素晴らしいわけでもない ・・・ 何らスペックで誇れるところのない古臭い4 気筒のAlfa Romeoに痺れるのと同じなのか?イタリアンは奥が深い。 マッキナもビチクレッタも女性名詞なわけで乗らにゃ分からんというわけです。
 
 
 


アルミやクロモリ溶接用のコーナーもあって、そこでドリアーノには聞きにくい質問をクリスティアーノに振ってみた。 「今、チタニオはドリアーノ1人で作っているそうだけど、ドリアーノだっていつまでも作れるわけじゃない? チタニオの生産を止める時はドリアーノ次第ってこと?」  その質問に、クリスティアーノは怪訝な顔をして 「そんな心配は要らないよ。その時はその時で技術者は他にもいるし、いつまでも作り続けるよ。」 ・・・・ Ti TIG溶接の技術をドリアーノ一人で抱え込んているように見える現状を見るとそれが上手くいくのか?そこまでは聞かなかった。



Related to : http://feticizm.blogspot.jp/2012/09/de-rosa-factory.html
          http://feticizm.blogspot.jp/2012/06/de-rosa-titanio-mentor-on-tig-welding.html 

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2 件のコメント:

  1. はじめまして。
    つい先日8ヶ月待ちだったTitanioが届きました。
    納品までの待ちきれない時間にこのブログに
    辿り着きました。

    DeRosaの工房を訪問されたなんて、羨ましい限り。
    チタンバイクに乗るのは初めてなので、おっしゃる通りの乗り味なのか、確かめるのが楽しみです。

    あ、ちなみにヘッドバッジはやっぱりステッカーでした。残念、、、
    そして、フォークはミズノから中国のメーカーに変わっていました。

    これからもブログの更新楽しみにしています。

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    1. はじめまして。
      八ヶ月ですか!けっこうかかりましたね。
      私のは、ストックジオメトリよりもシート角を少し寝かせてもらったのですが5ヶ月掛からなかったですよ‥‥

      ちなみに、デローザ工場で直接オーダーも出来るそうです。タダ、日直との契約で日本に直接送ることは出来ないとか。なんで、自分で取りに行くか、日本通運などにお願いして送ってもらうことになりますが‥‥。 それに直接オーダーもだと、ジオメトリの間違いも起きませんし、デカールも普通のものとは違う特別仕様も出来るようなかんしょくでした。当然ヘッドバッジも希望通りになるとおもいますよ。

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