最初期のチタンフレームの1つテレダイン(Teledyne)Titan がebayに出てきた。
SPEEDWELL社より遅れること2~3年、Barry Harvey なる人物が関わりTeledyne 社より 75年頃からリリースされたチタンフレーム。
SPEEDWELL社のチタンフレームは単にクロモリをチタンに置き換えただけと言った風情だけれど、このチタンフレームはちょいと違う。 今ですら工房レベルではこれと同じものは作れないだろうし、これが40年近くも前に作られていた事に驚く。
「我々は単なるチタンフレーム製造に参入した会社ではない。宇宙航空機産業でのチタン工作物製造の経験を生かしたフレームはこのマーケットの他のどのフレームよりも優れている」
過去の記述によれば特にフロント周りがかなり柔らかかったそうだけれど、細部を見ればその先進性と、とてつもない手の掛かりようで目を見張るばかりである。
例えばダウン& トップチューブの大口径化。 当時はシフトレバー台座をパイプに溶接するのもままならない時代で、バンド式のレバー台座、ワイヤー用を付ける為に、あるべき部分の口径を小さくする凝りよう。 応力集中がおきそうだが、必要に応じて各所スリーブを入れて強度を増しているという。 クロモリですらエポックな大口径パイプを使ったMASI Volumetrica が80's 。 それより遡る70'sにしかも加工性が悪いチタンでこんな事をしでかしていたと思うとエレクトしてしまいます。
また、今でもチタンフレームのクラックが多いシートクランプ部分はシートチューブにスリーブを加えて強度を増す。 そしてそこに取り付くシートステイ位置も先進的。 後三角を小さくする為にスリーブの低い位置でシートステーをガッチリ溶接している。 今ではなんの違和感もない位置だしガッチリと溶接してることなどごく普通だけれど、オールクロモリの当時はシートステー端は笹葉の蓋だとか、チネリ型だとかピン接合に近いものでガッチリとした接合ではない。
そして今ではごく当たり前のストレートドロップアウト。 これもチェーンステーを短くして後ろ三角を小さくする為だという。 ロードですら90's 始めまではホリゾンタルドロップアウトが主流。 ましてや70's にストドロとはどれほど先進的だったのかと・・・ まずその前提として、車軸の調整が効かないから精度の高いフレームである必要がある。(昔は中心が出ていないフレームなどよくあって、やろうにもストドロは無理だったのかもしれません)
更にエンドやチタンフォークのクラウンは精密ロストワックス形成ときていて、技術力がなければ為し得ないディテールそして先進性である。
残念ながらBarry がTeledyne社を離れた76年には製造を中止してしまったが、もしリファインを重ね当時のアメリカが今のように欧州のロードレースに盛んに参戦、このバイクがグランツールにエントリーされていたら ・・・・ と頭の上には吹き出しが出まくりまして床の間用にでも欲しくもなるってもんです。
Related to http://feticizm.blogspot.jp/2012/04/speedwell-titalite.html
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はじめまして。
返信削除サイクルスポーツ誌で初めて見た時の感動は今でも忘れません。
いまでもたまに当時の雑誌をみております。
日本には何台くらい在るのでしょうかね??
まだその頃は雑誌もロードよりもランドナーやスポルティフの記事が大半だった頃ですよね。今このフレームを見るのとはまるで違う感覚なんでしょうね。想像するに突然宇宙から降りてきた位のインパクトだったんじゃないでしょうか? ある意味羨ましい。
削除はじめまして。
返信削除自転車雑誌『サイクルスポーツ』と申します。
弊誌の次号にて
チタンバイクの特集を
取り上げる予定です。
つきましては、チタンバイクの
ヘビー(!)ユーザーの立場から
チタンバイクの魅力について
語っていただくことは
可能でしょうか。
突然のお願いで恐縮ですが
ご検討をよろしくお願いいたします。
株式会社八重洲出版
サイクルスポーツ編集部
担当:江郷(えごう)
info@cyclesports.jp
サイスポは今や自転車雑誌の中で一番ハードルが低いと言いますか裾野が広いと言いますか。 そこでチタンバイクの魅力語るて・・・例えるなら万人向けのエロ本の突然の熟女特集で熟女について語りまくる場違いさと言いますか恥ずかしさをおぼえるわけですよ。
削除このテレダインチタンのフレームは私の持っているバイクと全く同じものでびっくりしています。 そんなに貴重なフレームだったのですね。 他に持っているフレームはつぶれてしまいましたが、このテレダイン チタンはいまだに現役です。
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