越前で買った包丁は硬くて良い刃はつくし、刃先は極薄で思った通りの良品だった。
そうなると、全くイケてない外観を改造したくなってくる。 柄はプラスチックとガサガサした辺材で出来た300円位の安物が付いているし、色々気になる部分がある。
まずはその柄を、水牛の角巻きの朴の木の柄に換える。 包丁自体が磨き仕上げなのであまり出回っていない白水牛角を選んだ。 和包丁の柄は中で錆びたりしていない限り、容易に抜き差しが可能ですぐに取り替えることが出来る。 黒檀等の高級木とは違い朴の木は安いのだけど、包丁には朴の木が軽いし、濡れても滑りづらく一番である。
刀身の端部は普通切りっぱなしというか、切削されたまんまと言うか、そんなもんである。 実際刃の顎や峰が磨かれることは殆ど無くて、越前や新潟三条、その他の産地でも磨かれたものは殆ど見たことがない。
この部分が磨かれるのは、ほぼすべて大阪の堺で造られた一部の高級本職用包丁と言っていい。 包丁を握った時に人差し指や中指が当たる顎の部分が、面取りされ磨かれているだけで握り心地はいいし、見た目がワンランクもツーランクもアップする。
3時間も掛かって刀身の顎、そして峰も面取りし磨いた。
品物が家に送られてからググってみたらば、この包丁の職人は黄綬褒章受賞した伝統工芸士だった。 そんなウリ文句が付いて、これくらいの仕上げスペックにすると一気にネット上に高級品として売られるキャッチーな品物に変身。 買った3倍位の値が付いていても普通な感じになる。 買った場所では箔をつけるようなウリ文句は何もなかったし、安易にそっち方向に流れない職人というのが深い。 こういう真っ当な良品を見付け手を加えれば余計に愛着が湧く。
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