機体は高度を下げベスビオ山を真横に見ながらナポリにアプローチする。
スペインから
LCCでわずか
€80だったものだからナポリに飛んできた。 ナポリ空港はナポリ市街のすぐ側にあることもあって、ベスビオとナポリ市街を舐めながらの着陸はエキサイティングだった。
昔の旅のスタイルと言えばガイドブック等完全無視で、自分の嗅覚だけで歩きまわることだった。 そんなことだから、人に代表的な場所について聞かれても、「その側までは行った筈だけどそこは行ってない」 とかそんなことがしょっちゅうあった。
なのに、今はガイドブックにベスビオの火山灰土壌のワイン”
LACRYMA CHRISTI”(キリストの涙) とあればそれを注文し、それほど好きでもないピッツァが必食とあればガイド通りに、老舗の名前があるそこへ行く。 素直に行動して嗅覚以外のところに出会うのも割と心地いい。
ところで、本場では老舗の有名店と言えども直径
35cmもある巨大なマルゲリータが
€7程度と安かった(本物の水牛の乳を使ったモッツァレッラで、牛の乳のは
€5。)。 現地人はその馬鹿でかいのをペロッと食って出て行くが、食べるは遅いほうじゃない自分でもこの巨大なのには結構時間がかかるわけで、その内にチーズが固まって、ウォーっ。。。
そして街を歩けばこれぞナポリ。
現地の年配者には、やたらと 「カメラとカバンに気をつけて」 と注意される。
そして旧市街のスカッパナポリの細道は汚く洗濯物はためき、路駐の車のアナログな防犯装置が凄い。 外からも視覚的にアピールして盗む気をなくさせることがガラスを割られない秘訣。
人通りが一際多い通りに
Di Matteo というピッツァ屋があった。
さっきのピッツァが今ひとつ気に入らなかったのもあって思わず一枚マルゲリータを買い食いした。
包装など無いに等しく紙にクチャクチャと包むだけ、たった
€1。 齧り付けば生地がまことに旨い。
これじゃマックも簡単には蔓延れまい。 そしてこのファストフード感覚が本来のピッツァの姿なのだろう。
ところでこのピッツァ屋の中ではラテン系に混じって平たい顔属がピッツァを焼いていた。(左から二人目の彼) 声をかけてみたらなんと日本人である。 イタリア語なんて話せないまま来てここで修行しているんだとか。
これはいい。 日本には既に本物のピッツァは蔓延しているのだから、値段を含め是非この気軽に食べられる文化を持ってきて貰いたいなあ。
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