20140430

赤 福


  
家のテーブルに赤福のお土産があったなら、12個箱入りでも30分あれば普通にたいらげてしまう。
そして全部勝手に食べたことを怒られる。 子供の頃から幾度と無く怒られてきた。
だから来た。 当然来た。
  
  
赤福が大好きなのである。

 


 
1707年の文献に登場することから、江戸時代初期には伊勢神宮前、五十鈴川のほとりで既に「赤福」の屋号を持つ餅屋が存在したといわれる。 
 
  

餅に盛られたこし餡の三本の筋は五十鈴川の流れを表している。
その三本の筋は指で付けられているということは聞いたことが有る。 でも、万が一そんなことがあったとしても大昔の話だと思っていたし、今はそんなことはあり得ないと思っていたのだが、とんだ無知坊であった。


 
  
 
  

  
はたして・・・ 通路のガラス張りの中ではまさにその五十鈴川の流れが指で描かれていた。
 
 
 

関西圏で大量に売られる箱入りの赤福餅のすべてが指で仕上げられているとも考えづらい。 
だから、まさか指はあるまいと思い込んでいたことはある。 


しかし、この店に来たのは6~7度目である。 
何故、こんな重要な事実を今まで見過ごしていたのか、不思議でならない。


 
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20140427

渥美半島 と 伊勢神宮



地図を見る。 
伊勢に至るのに伊勢湾は随分と遠回りを強いやがる。 ならばと豊橋で新幹線を降り、渥美半島の西端、伊良湖岬から鳥羽へフェリーで向かう手があるではないか。 旅の途中、船の移動を入れるだけで、ピリッとスパイスが効いたように一味違うものになる。 


 
ただ、”船で伊勢詣” その響きの魅力的なこととは裏腹に渥美半島は止まって景色を眺める気にさせる場所は殆どなかった・・・
 
 
 

  
 


 





伊良湖岬では渥美半島名物の大アサリを頬張ると急いでフェリーに飛び乗った。 
汗だくだった。 乗り遅れると1時間半も待つ羽目になる。 時間がない時に、輪行袋に入れなければ+1000円と言われて泣きながら輪行袋につめこんだのである。
 
 
  
  
  
  
  
  
  




 
お伊勢参りは外宮から参るのがしきたりである。 
天照大御神などという聞いてもよく分からぬ神様より、私的には豊受大神が食物・穀物を司る女神というわかりやすさもあって ”霊験あらたか感” が強い。 そして、皆こうしてパワースポットなる石に手をかざしは、その手をデコに擦りつけたり、「手が温かくなる」等と言っては感動しているのを見て、日本の今の幸せぶりを噛みしめるのである。  
 
   
 


場所を移り伊勢神宮の内宮は右側通行になっている。 
橋の下を流れる五十鈴川の流れ、全体が醸し出す雰囲気はなぜだか外宮よりずっと畏まったものに感じる。  なんというか、鶏まで偉そうである。
   
 
 

  
   

 
  

  
 
 

 
 

   
 





内宮の参道はいつも賑わっている。 
土産物屋や飲食店が軒を連ね、あの”赤福” の本店もある。
 
 
 
伊勢詣の数だけここを通っている筈なのだけど、伊勢うどんは初めて。
”極太うどん=コシが強い” という見た目からくる先入観と口に入れた時の食感のギャップが凄い。 小さい頃にも、親に連れて来られなかった理由がわかった。
   
 
 
これはアカンやつや。



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20140424

Colatura di alici e Bottarga


 
コラトゥーラ ・・・ アンチョビの魚醤でイタリア版ナンプラーみたいなもんです。 
日本の食材屋は癖なく何にでも使えるとか嘯いてますけど、やっぱり癖はあって日本の醤油ほど使い勝手が良くない。 それだけに、去年初めにアマルフィで買ってきたコラトゥーラも減りが遅いです。

  
 
そういえばって、からすみ(ボッタルガ)のパスタの味付けにコラトゥーラをば 
  
 
 


  
安く売ってた土付きネギをニンニクたっぷりの油で煮るように甘みを引き出し、固めのパスタを投入。 そこにコラトゥーラを加えたパスタ茹で汁を100cc程を加えて麺を茹でるようにして乳化させて馴染ませていくんですわ。

  
 
そこに薄切りにしたたっぷりのボッタルガと紫蘇を加え煽って出来上がり。
コラトゥーラのせいで黄みがかった色に仕上がってしまいますけど、ボッタルガの濃厚な塩辛さにコラトゥーラの深い塩気に甘~いネギ。  

 
 
巷のからすみ粉まぶした様なのはもう食えまへん。


 
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20140421

獺 祭  DASSAI


    
   

  
   


Both ID and OD fits perfectly
  
 
 
この酒、最近急に手に入りづらくなってきました。 
本当の酒好きはこういうの好まないだろうから、私のような有象無象が買っているのでしょう。
 
 
 
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20140418

越前刃物 改



越前で買った包丁は硬くて良い刃はつくし、刃先は極薄で思った通りの良品だった。


そうなると、全くイケてない外観を改造したくなってくる。 柄はプラスチックとガサガサした辺材で出来た300円位の安物が付いているし、色々気になる部分がある。
 
 
まずはその柄を、水牛の角巻きの朴の木の柄に換える。 包丁自体が磨き仕上げなのであまり出回っていない白水牛角を選んだ。  和包丁の柄は中で錆びたりしていない限り、容易に抜き差しが可能ですぐに取り替えることが出来る。 黒檀等の高級木とは違い朴の木は安いのだけど、包丁には朴の木が軽いし、濡れても滑りづらく一番である。  
  
 
  
  
  
     

  
刀身の端部は普通切りっぱなしというか、切削されたまんまと言うか、そんなもんである。 実際刃の顎や峰が磨かれることは殆ど無くて、越前や新潟三条、その他の産地でも磨かれたものは殆ど見たことがない。   
 
   
この部分が磨かれるのは、ほぼすべて大阪の堺で造られた一部の高級本職用包丁と言っていい。  包丁を握った時に人差し指や中指が当たる顎の部分が、面取りされ磨かれているだけで握り心地はいいし、見た目がワンランクもツーランクもアップする。
  

    
   
   
  
  
  
  

 
3時間も掛かって刀身の顎、そして峰も面取りし磨いた。
  
  
 
品物が家に送られてからググってみたらば、この包丁の職人は黄綬褒章受賞した伝統工芸士だった。 そんなウリ文句が付いて、これくらいの仕上げスペックにすると一気にネット上に高級品として売られるキャッチーな品物に変身。 買った3倍位の値が付いていても普通な感じになる。  買った場所では箔をつけるようなウリ文句は何もなかったし、安易にそっち方向に流れない職人というのが深い。  こういう真っ当な良品を見付け手を加えれば余計に愛着が湧く。


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20140415

越前刃物



包丁はよく使っているし好きである。

 
和包丁の産地としては職人用の大阪堺の和包丁、洋庖丁は大量機械生産の岐阜県関、その他では手作りで有名なのが新潟の三条そして福井の越前など。 越前の包丁も何本か使っていて是非越前刃物の里を見てみたいと思っていました。
 

  
   
   
     
  

包丁の世界では”手作り” などという言葉が誇らしげに書かれているものも多いけれど。 そう書いてあっても最後の研磨だけが手作業でその他は機械流れ作業だったりとかなり眉唾である。 
そう。 人は手作りとか職人という言葉に弱いのだ。 


 
この工場は真っ当にコークスで鋼を熱し鍛接していた。 越前刃物だからといってすべてがそうしているわけではない。 いや、鍛接から焼入れ、刃付まで一貫してやっているところのほうが少ない。
  
 
  
   
  
   
   
   
  

 

  

鍛冶屋といえばこの ”焼入れ” のシーン。 
鋼製の包丁は800度、ステンレスは1000度で焼入れをする。 表面だけでなく、内部まで焼きが入る時間がしっかり秒単位で管理されている。 そして一気に水で冷却。  この作業で刃はギュッと硬く締まる。  この冷却用の水も古い水を使い続けるのがいいと言い伝えが有るのだそう。
 
    
  



PC の画面上の勝負になりかねない情報化時代は難しい。
職人名、見栄え、鋼材グレード、硬度などわかりやすい要素を書き並べ高価品商売に特化している刃物メーカーがあると思えば、真っ当にいいもの作っているのに、地味な商売を選択し情報化時代とは背を向けたような刃物メーカーもある。  ここに来て思うのは明らかに二分化しているということ。 
 
 
 
インターネットにはすべての情報が有るようにみえるのだけれど、分かりやすい判断材料に満ち溢れ、売りたい人間によって作られたメルヘンのバイアスまで掛かっていたりするものが先頭辺りに出てくる。 そちらとは真逆の品物が目に止まった。 80歳を越えた職人が作るその包丁は根本から先に行くに従って薄くなっている。 熱し赤らめた鋼材を叩き伸ばして作られた証拠、刃は真っ当に作られているのに柄は安物が付いていて、一瞥だけでは惹かれることはない。 マニア向けではなく普通に使うことが想定して作られた真っ当な品だと思った。 当然格安、ネット上にも存在しない。 さすがに包丁を背負ってサイクリングも無理なんで送ってもらいました。  現地に行って話し、見なければなかなか分からない事もある。



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20140411

越 前 海 岸 の



京都から鯖街道を北上した翌日、北陸の越前市から一山超えると海が見えてきた。
若狭湾は越前海岸である。

 
 

 
 

 
  










越前海岸ののどかな漁村。
やはりここに来たならばこれである。
日本で一番との呼び声高い蟹、越前ガニを食べざるをえない。 
年末から正月にはこれくらいの型で25000円位はするそうだけど、322日からの禁漁以降は水槽にいるものだけ。 そして、ずっと安く食べることが出来る。

  
  
蟹を選んだら、さっそく調理が始まった。
まずは蟹を逆さにして、熱湯をかけて弱らせる。
いきなり、熱湯のなかに放り込むと、防御反応で脚を自ら離してしまうから。
 
 
  







 
 


エイヤで入った店は完全な越前蟹専門店であった。 

 
 
メニュー等なくって、他の刺し身も、焼き魚も付け合せも何もない。 シンプルに蟹だけ。  
これはかえって良かった。 他に刺し身などついていても、蟹で無言になっている間に刺し身は乾いてくるし、口に雑味がでてしまうし。 かと言って、三杯酢もなく、シンプルに蟹の身だけを、そしてかにみそと和えて食べただけだけど全く食べ飽きない。
 
 
 
生まれて初めて。 シンプルに蟹だけで満腹になったのは。 
そうとうな満足感に浸った。 その満足感はそのシンプルさ故に余計に高かった。 

 
 
 


海っぺりから離れ激しい山に登ってきたのはここ千枚田百選の梨ケ平千枚田に来るためだった。
目からはのどかな北陸の山村、頭のなかは蟹の余韻に浸りきっていた。
冗談ではなくこんな景色の中 「旨かったなぁ」 と何度呟いていたかわからない。
夢とウツツの間をぼんやりとサイクリングしているようだった。 
 
 
北陸は小松空港まで辿り着けば羽田までわずか1時間。 
12 日で出来るショートトリップ。
旅はやめられない。
 


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